福祉体験学習レポート|CILひかりが地域の学校で伝えたこと

福祉体験学習レポート|CILひかりが地域の学校で伝えたこと

専門学校の福祉体験学習で、CILひかりのスタッフがリフト(移乗機器)の使い方を実演し、学生が見守る様子

2026年6月、CILひかりの当事者スタッフとヘルパーが、鹿児島市内の専門学校と小学校の2か所で福祉体験学習を行いました。学生や子どもたちが介助・車いす・移動を体験し、当事者の暮らしに触れた2日間の様子を、写真とともにお伝えします。

更新:2026/06/27 所要時間:約5分 対象:採用情報をお探しの方

CILひかりが学校で福祉体験学習を行う理由

CILひかりは、重度の障害がある方の「自分らしい暮らし」を支える重度訪問介護のNPO法人です。私たちが大切にしているのは、CIL(自立生活センター)という考え方。障害のある人を「支援される人」としてではなく、「自分の人生を自分で選び、決めていく主体」として捉える理念です。

この考え方は、現場での介助だけで完結するものではありません。地域の人がどれだけ障害のある暮らしを身近に感じられるかは、当事者が街で暮らしやすくなるかどうかに直結します。だからこそ、当事者スタッフが自ら学校に出向き、自分の言葉で暮らしを伝えることに意味があります。

今回の福祉体験学習も、そんな取り組みのひとつ。CILひかりの代表をはじめとする当事者スタッフとヘルパーが、専門学校と小学校の2か所を訪ねました。


専門学校での体験学習(6/9・学生19名)

6月9日、鹿児島情報ビジネス公務員専門学校で、学生19名を対象に90分の体験学習を行いました。この日は、当事者スタッフとヘルパー、総勢14名で伺いました。

リフトで体を持ち上げて移動する介助を、学生たちが当事者スタッフと一緒に体験する様子

5つの体験メニュー

この日は、5つの体験を用意しました。

  • 着脱介助(衣服の着替えを手伝う)
  • 飲料介助(飲み物を口元へ運ぶ)
  • リフト移動介助(リフトという機器で体を持ち上げて移動する)
  • 電動車いすの操作体験
  • 声を出さずに、口の動きだけで言葉を伝え合う体験

学生のみなさんは数人ずつのグループに分かれ、順番に挑戦しました。

飲み物を口元へ運ぶ飲料介助を学生が体験している様子

当日の様子

グループで取り組んだことで、一人で進めるよりも「こうかな?」「ちょっと違うかも」と話し合いながら、試行錯誤する姿が見られました。

着ること、飲むこと——ふだんは当たり前にしている動作も、立場が変わると時間がかかり、工夫が必要になります。その気づきが、参加者の表情からも伝わってきました。体験中は「すごい!」「楽しい!」「おもしろい!」という素直な声が飛び交い、和やかな空気のなかで進みました。

学生が電動車いすに試乗し、当事者スタッフと並んで操作を体験する様子

参加した学生の声

  • 「初めての体験で、すべてがとても良い勉強になりました」
  • 「いつ自分が介助をする立場になるか分からないと思いました。介助される立場は今はまだ想像しにくいけれど、この経験を生かしたいです」
  • 「リフト移動は急に降りると思っていましたが、とてもソフトで安心感がありました。声をかけながら行うことで、信頼関係がつくられると感じました」
  • 「電動車いすの速度に驚きました。車の運転に似ていたので、それをイメージして操作しました。健常者と並んで歩けるのがすごいと思いました」
鹿児島情報ビジネス公務員専門学校での授業風景 CILひかりの当事者スタッフに質問する様子 鹿児島情報ビジネス公務員専門学校での福祉体験学習に参加したCILひかりのスタッフの集合写真 鹿児島情報ビジネス公務員専門学校での福祉体験学習に参加した集合写真

南小学校での体験学習(6/10・小4・48名)

翌6月10日には、鹿児島市立南小学校で、4年生48名を対象に45分の体験学習を行いました。こちらは、当事者スタッフとヘルパー、総勢13名で伺いました。

鹿児島市立南小学校の体育館で、CILひかりの当事者スタッフが車いすでの暮らしについて話し、児童が聞き入る様子

当事者スタッフが語った「暮らしのリアル」

小学校では、当事者スタッフが自分の言葉で日常生活を話しました。伝えたのは、次のようなことです。

  • 自分の障害と、ふだんの暮らしの様子
  • 困ること・バリア(段差、乗り物、まわりの視線など)
  • まわりの人にしてほしいこと(声をかけてほしい、急に車いすを押さないでほしい、など)

子どもたちは興味深そうに耳を傾け、熱心にメモを取る姿が多く見られました。車いすの絵を一生懸命に描く子もいました。

車いす体験(手動・電動)

お話のあとは、手動・電動の車いす体験です。子どもたちはとても積極的に参加してくれました。

南小学校の児童が車いす(移動機器)の操作をスタッフと一緒に体験する様子

子どもたちの声

  • 「車いすの高さを変えられたり、手動と電動で機能がちがったりして、びっくりしました」
  • 「思っていたよりスピードが出ると思いました」
  • 「車いすの競争が楽しかったです」
  • 「ヘルパーさんの大切さを感じました。ヘルパーさんがいると、何でもできると思いました」
南小学校での福祉体験学習に参加した生徒の体験の様子 南小学校での福祉体験学習に参加したCILひかりの当事者スタッフの話を真剣に聞く小学生 南小学校での福祉体験学習に参加したCILひかりの当事者スタッフの集合写真

体験学習を通して、CILひかりが伝えたいこと

2日間の体験学習を通して、学生や子どもたちが感じてくれたこと。それは、「できない」を「できる」に変えるのは特別な力ではなく、声かけや工夫、そして人と人との関係なのだということでした。

リフト移動で「声をかけてもらえると安心する」と気づいた学生さん。「ヘルパーさんがいると何でもできる」と話してくれた小学生。どちらも、CILひかりが日々大切にしていることと、まっすぐ重なります。

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ポイント:重度訪問介護は、誰かの代わりに何かを「してあげる」仕事ではありません。利用者が自分で決めた暮らしを、となりで一緒につくっていく仕事です。

そしてその役割は、利用者の自宅にとどまらず、こうして地域に開いていくところまで広がっています。CILひかりでは、当事者と一緒に「自分らしく生きられる地域」をつくっていく仲間を募集しています。介護の経験がなくても大丈夫です。先輩スタッフの歩みはインタビューでも紹介しています。まずは、私たちの働き方をのぞいてみませんか。


当事者と一緒に、地域の暮らしをつくる仕事。

未経験・無資格からのスタートを歓迎します。まずは募集要項をご覧ください。お電話(099-252-8441)でのお問い合わせも歓迎です。

「重度障害者が"人"として自分らしく輝ける社会を創造する」

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