重度訪問介護のよくある疑問10選|応募前に知っておきたいこと
求人を見て、仕事内容も給料もだいたい分かった。それでも応募ボタンを押せない。理由は大きな不安がひとつあるからではなく、小さな引っかかりがいくつも残っているからではないでしょうか。
電話で聞くほどでもない気がして、でも消えない。そういう疑問を10個集めました。答えにくいものから先に並べています。
なお、それぞれの答えは短くしています。10個の疑問に一度に当たれることを優先しました。もっと詳しく知りたい項目があれば、該当する記事へご案内します。
この記事の要点
- 答えにくい質問を先に置きました。きつさと休日の話が最初の2問です。
- 各項目は短く答えます。詳しく知りたいものは、それぞれの記事へご案内します。
- 最後の1問は、不安が残ったままでも応募していいのか、という質問です。
1. まず、答えにくい質問から
いいことばかり書いてある記事は信用できない、という感覚はもっともです。答えにくい3問から始めます。
Q1. そもそも、どんな仕事ですか
重い障害のある方の自宅へ伺い、長い時間そばにいて、その方の生活を支える仕事です。食事、着替え、入浴、外出の付き添い。それに加えて、特に手を動かしていない見守りの時間があります。
介護保険の訪問介護のように、決められた時間内で決められた作業を終えて次の家へ、という形ではありません。一人の方の一日に、はじめから終わりまで付き合います。
利用者は、ALSや脳性麻痺、脊髄性筋萎縮症(SMA)など、さまざまな障害のある方です。年齢層も幅があります。共通しているのは、介助を受けながら地域で自分の生活を営んでいる方たちだということです。
→ 仕事内容と1日の流れは「重度訪問介護とは?」の記事で詳しく説明しています
Q2. きつい仕事ですか
正直にお答えすると、楽な仕事ではありません。ただ、「きつい」の中身を体力面と精神面に分けて考えていただきたいと思います。
体力面については、施設で複数の方を短時間で介助する働き方とは負荷のかかり方が違います。CILひかりは1日1名の担当制で、複数の家を回ることはありません。移動に追われることがなく、見守りの時間もあるため、8時間ずっと動き続けるわけではありません。
精神面については、率直に言えば人によります。一人の方の生活に深く関わるので、関係の作り方に悩む時期はあります。一方で、その深さをやりがいとして受け取る人もいます。ここは向き不向きの話なので、Q8もあわせてお読みください。
それから、ひとつ補足させてください。「重度」という言葉から、怖い仕事、特別に難しい仕事という印象を持たれることがあります。実際には、利用者は自分の生活を自分で組み立てて暮らしている方たちです。専門技術で難局を切り抜ける仕事ではなく、その方の日常に付き添う仕事だと考えていただくのが近いと思います。
Q3. 休日はちゃんと取れますか
シフト制で、月8〜10日が目安です。ここは包み隠さずお伝えしておきます。
休日数について明確な規定を設けているわけではなく、現状では週休2日を取れていない方もいます。この点は課題として認識していて、改善に取り組んでいるところです。
入ってから話が違うと感じてほしくないので、いまの状態のまま書いています。なお有給休暇については、これまで申請の承認率は100%です(2026年8月現在)。
シフトの組み方や希望の出し方については、生活の予定と直結する部分なので、面接の場で遠慮なくご確認ください。
2. 未経験からのスタートについて
応募資格は普通自動車免許のみです。介護の資格や経験は必要ありません。
Q4. 未経験・無資格でも大丈夫ですか
大丈夫です。介護以外の仕事から移ってきた方もいます。
未経験から重度訪問介護に従事するための入口のひとつが、重度訪問介護従業者養成研修です。CILひかりでは、この研修を法人が費用を負担する形で修了できます。研修を受けている期間中も、給与は通常どおり支給されます(2026年8月現在)。
その後、約2週間の新人研修(座学+実技)と、先輩スタッフに同行する研修があります。いきなり一人で現場に出ることはありません。
新人研修で扱うのは、介助の技術だけではありません。障害のある方の地域生活について学ぶ時間や、アンガーマネジメントの講座もあります。車椅子に乗って実際に外出してみる体験、ボディメカニクス(体の使い方による腰痛対策)の実習なども含まれます。
→ 資格の種類と要件は「資格要件まとめ」の記事でご確認いただけます
Q5. 見守りの時間も給料が出るというのは本当ですか
本当です。利用者が読書をしていたり、眠っていたりする時間も、勤務時間として給与の対象になります。
これは特別な待遇ではなく、重度訪問介護というサービスの性質によるものです。長時間そこにいて、必要になったときに動けること自体が仕事の中身に含まれています。
ただし、楽な時間という意味ではありません。何かあればすぐ動く必要があり、そのための注意は続いています。
収入の見通しという点では、この構造は分かりやすさにつながります。実際に手を動かした分だけが給与になるのではなく、その場にいる時間が勤務時間として計算されるからです。
→ 見守りの時間の実際は「見守りが仕事って本当?」の記事で詳しく書いています
Q6. どのくらいで独り立ちできますか
約2週間の新人研修と同行研修を経てから、担当を持つ流れです。
ただ、慣れるペースには個人差があります。決まった期日までに一人にならなければいけない、という運用はしていません。
独り立ちしたあとも、判断に迷う場面ではコーディネーター(現場とスタッフをつなぐ調整役)に相談できます。一人で抱え込む必要はありません。
同行研修では、先輩のコーディネーターや先輩ヘルパーが利用者宅へ一緒に伺います。その方の生活の流れや、気をつけていることを、現場で引き継ぐ形です。
→ 入職後の流れは「未経験からの最初の1ヶ月」の記事で時系列に沿って説明しています
3. 働き方と適性について
誰にでも合う仕事だとは考えていません。合わない場合のことも含めてお答えします。
Q7. 異性の利用者を担当することはありますか
CILひかりはありません。完全同性介助のため、男性スタッフが担当するのは男性の利用者、女性スタッフが担当するのは女性の利用者です。
これは働く側への配慮というより、利用者が「誰に体を触れられるか」を選べる状態を保つための体制です。結果として、働く側も断られる不安や気まずさを抱えずに済みます。
掲げるだけでは成り立たない体制でもあります。実際に運用するには、それぞれの性別の担い手が揃っている必要があるからです。
→ 同性介助の背景は「完全同性介助とは?」の記事で説明しています
Q8. 向いていないのは、どんな人ですか
自分の判断でどんどん進めたい人には、窮屈に感じられるかもしれません。
この仕事では、生活のことを決めるのは利用者本人です。良かれと思って先回りすることが、その人が自分で決める機会を減らしてしまう場合があります。確認して、待つ。この動き方に納得できるかどうかが、いちばん大きな分かれ目だと思います。
逆に、一人の方とじっくり関わりたい人、暮らしの形を一緒に考えることに面白さを感じる人には向いています。
もうひとつ挙げるとすれば、相手との距離感です。深く関わる仕事なので、お互いに頼りすぎる関係になってしまうことがあります。目指しているのは、その方が自分の生活を自分で営めることです。そこを見失わずにいられるかどうかも、続けていくうえでは効いてきます。
→ 適性については「向いている人・向いていない人」の記事で掘り下げています
Q9. 車の運転は必要ですか
応募資格が普通自動車免許となっているとおり、運転できることが前提の仕事です。
CILひかりは直行直帰で、事業所を経由せず利用者の自宅へ直接向かいます。鹿児島市内および薩摩川内市周辺という勤務エリアの性質上、移動手段として車が必要になります。
この形には利点もあります。出勤のために事業所へ立ち寄り、そこからまた移動するという時間がありません。勤務が終われば、その場から帰宅できます。
※移動時の車両の扱いや交通費の詳細は、募集要項および面接時にご確認ください。
4. 最後に、もうひとつだけ
Q10. 不安が残ったままでも、応募していいですか
問題ありません。むしろ、不安が一つもない状態で応募してくる方のほうが少ないです。
ここまでの9問を読んで、全部が解消したという方はおそらくいないと思います。文章で分かることには限りがありますし、実際のところは、その場に立ってみないと分からない部分が残ります。
CILひかりでは、応募前の段階でのご質問やご相談も受け付けています。「まだ応募を決めたわけではないのですが」という前置きで構いません。聞いてみて、やっぱり違うと思われたなら、それも一つの結論です。
お互いにとって良くないのは、分からないまま入って、違ったと気づくことです。だから、聞いていただいたほうが助かります。答えにくいことを聞かれたときは、答えにくいと申し上げます。
最初から完璧にできる人はいません。分からないことは、一緒に確認していく体制があります。