重度訪問介護とは?4つの仕事内容と日勤・夜勤の1日スケジュール

重度訪問介護とは?4つの仕事内容と日勤・夜勤の1日スケジュール

「重度訪問介護って、実際なにをする仕事?」——求人票だけでは分からない仕事の中身を、日勤・夜勤それぞれの1日の流れに沿って具体的に解説します。鹿児島で重度訪問介護を行うCILひかりの現場をもとに、未経験の方にもイメージが浮かぶようにまとめました。

更新:2026/07/14 所要時間:10分 対象:重度訪問介護の仕事に興味がある未経験の方

重度訪問介護とは?まずは30秒でざっくり理解

重度訪問介護とは、重い障害のある方のご自宅で、長時間マンツーマンで暮らしを支える仕事です。

重度訪問介護は、障害者総合支援法という法律に基づく公的なサービスです。対象となるのは、重度の肢体不自由のある方、または重度の知的障害・精神障害により常に支援を必要とする方。ヘルパーは利用者さんのご自宅に伺い、数時間から場合によっては24時間、その方の生活に寄り添います。

高齢者向けの訪問介護(1回あたり数十分から1時間程度で、複数のお宅を回るスタイル)とは、制度も働き方も別物です。名前は似ていますが、「短時間×たくさんの利用者さん」ではなく「長時間×おひとり」。ここが最大の違いです。

たとえばCILひかりでは、SMA(脊髄性筋萎縮症)や脳性麻痺などの当事者の暮らしを支えています。「どんな方を支えるのか」をもっと知りたい方は、利用者さんの暮らしを紹介した記事もあわせてご覧ください。

制度のくわしい違いや給与体系の比較は、別の記事で整理しています。


仕事内容は大きく4つ。「介護」だけじゃありません

仕事内容は「身体介護」「家事援助」「見守り・待機」「外出のサポート」の4つに分けられます。

①身体介護(食事・入浴・トイレのサポート)

食事や入浴、トイレ、着替え、寝返りのサポート(体位変換)など、体に直接ふれる支援です。「介護」と聞いてまず思い浮かぶのはこの部分だと思いますが、実は1日のすべてがこれで埋まるわけではありません。

たとえば朝なら、ベッドから車椅子への移乗、洗面、着替え、朝食の介助といった流れです。ひとつひとつの動作には「その方に合ったやり方」があり、最初は先輩と一緒に、少しずつ覚えていきます。

②家事援助(料理・掃除・買い物)

料理、掃除、洗濯、買い物など、暮らしまわりのサポートです。大切なのは「自分のやり方」ではなく「その方の家のやり方」に合わせること。味付けの好み、洗濯物のたたみ方、収納の場所——おひとりを深く知るほど、支援の質が上がっていきます。

③見守り・待機(そばにいることも大切な仕事)

重度訪問介護に特有なのが、この「見守り」の時間です。常に何か作業をしているわけではありません。利用者さんが読書やテレビを楽しんでいる間、そばで待機し、必要なときにすぐ動けるようにしておく。これも立派な仕事のうちです。

「何もしていない時間があっていいの?」と思うかもしれません。でも、そばに人がいるからこそ、利用者さんは安心して自分の時間を過ごせます。見守りは「何もしない時間」ではなく「安心を支えている時間」です。

CILひかりでは、この見守り・待機の時間もすべて勤務時間として給与の対象になります(2026年7月現在)。

④外出のサポート

買い物や通院だけでなく、趣味の外出に同行することもあります。CILひかりの利用者であるIさんの趣味は、野球観戦や音楽鑑賞。そうした「楽しみのための外出」を支えるのも、ヘルパーの役割です。利用者さんの世界が広がる瞬間に立ち会える、この仕事ならではの場面です。


ある1日のスケジュール【日勤編】

日勤は「動く時間」と「ゆったり流れる時間」が交互にやってくるイメージです。

一例として、日勤(9時〜19時)の流れを見てみましょう。

なお、勤務時間のパターンは利用者さんの生活や契約時間によってさまざまで、ここで紹介するのはあくまで一例です。実際のシフトは、面接や見学の際に具体的に確認できます。

9:00利用者さんのご自宅へ直行(事業所への立ち寄りは不要)
9:00〜10:00朝の支援。洗面、着替え、朝食のサポート
10:00〜12:00掃除や洗濯などの家事援助+見守り
12:00〜13:00昼食づくりと食事のサポート
13:00〜16:00買い物への同行、または見守り
16:00〜18:00夕食づくりと食事のサポート
18:00〜19:00夜のヘルパーへの引き継ぎ準備
19:00引き継ぎをして、そのまま自宅へ直帰

ポイントは、1日の主導権が「業務スケジュール」ではなく「利用者さんの生活リズム」にあることです。施設のように次々と業務に追われる感覚は薄く、その方の一日に自分の一日を重ねていく働き方です。

たとえば午前中、洗濯物を干し終えたあとに利用者さんとテレビのニュースを見ながら少し話をする。午後は一緒にスーパーへ出かけ、夕食の食材を選ぶ。介護というより「暮らしをともにする」に近い感覚です。この肌ざわりは、利用者さんの「普通の一日」を綴ったスタッフのエッセイにも表れています。

朝は自宅から直行、夕方はそのまま直帰。この「直行直帰」の働き方については別の記事でくわしく解説しています。


ある1日のスケジュール【夜勤編】

夜勤の中心は「見守り」。静かに、その方の夜を支える仕事です。

夜勤(19時〜翌9時)の一例です。

19:00訪問、日勤ヘルパーから引き継ぎ
19:00〜22:00夕食後の支援、入浴や就寝の準備
22:00〜6:00見守りが中心。体位変換や、呼ばれたときの対応
6:00〜9:00起床の支援。洗面、着替え、朝食のサポート
9:00日勤ヘルパーに引き継いで退勤

「夜勤って、ずっと起きているの?」——よく聞かれる質問です。基本は起きて見守ります(近くで横になり、体を休めることはできます)。だからこそ、この時間はすべて勤務時間としてカウントされ、給与に反映されます。「働いた時間がきちんと収入になる」構造です。

夜間の対応は、利用者さんごとに決められたタイミングでの体位変換(床ずれを防ぐための寝返りのサポート)や、水分補給、トイレの介助などが中心です。何をいつ行うかはその方ごとに決まっているので、引き継ぎ内容に沿って落ち着いて対応できます。

夜間に人工呼吸器を使用される方もいらっしゃいます。CILひかり代表の川﨑良太さんも、夜間のみ人工呼吸器を使って生活する当事者のひとりです。「自分に対応できるだろうか」と不安に感じるかもしれませんが、最初からひとりで任されることはありません。研修と同行のしくみは、このあとの章でお伝えします。


1日1名だけを担当します——CILひかりの働き方

CILひかりでは、1日に担当する利用者さんは1名だけ。掛け持ちのない、深く関わる働き方です。

なぜ「1日1名」なのか

訪問系の介護では、1日に何軒も回るスタイルが一般的です。CILひかりが1日1名の担当制をとっている理由は、移動に時間を取られないこと。そして、その方の生活リズムや好みを深く理解できることです。「今日はいつもより疲れていそうだな」といった小さな変化に気づけるのは、長い時間をともに過ごすからこそです。

また、担当が固定的に続くことで、利用者さんの側も「毎回違う人に自分の体のことを一から説明する」負担が減ります。信頼関係が積み重なるほど、支援はスムーズに、会話は自然になっていきます。

「お世話する」ではなく「その人が決めた暮らしを支える」

CILひかりは、CIL(自立生活センター=障害のある当事者が運営する、自立生活を支援する団体)の理念で運営されているNPO法人です。大切にしているのは「自己選択・自己決定」。何を食べるか、いつ出かけるか、どう暮らすか。それを決めるのは利用者さん自身であり、ヘルパーはその決めた暮らしを実現するパートナーです。

川﨑代表ご自身が、障害当事者です。ヘルパーの支援を受けながらNPO法人の代表として働き、家庭を持って暮らしています。「障害があっても、自分で決めた人生を生きられる」——それを体現する当事者たちが運営する法人です。だからこそ、支援の考え方が一般の介護事業所と根本から異なります。

「介護してあげる」のではなく「一緒に生活をつくる」。この視点の違いが、CILひかりの仕事のいちばんの特徴かもしれません。


正直に言うと、大変なところもあります

慣れるまでの緊張や、1対1ならではの難しさはあります。ただ、それを支えるしくみも用意されています。

最初は、誰でも緊張します

初めての現場は、誰でも緊張します。建築業界から転職した主任コーディネーターの北田雄希さんも「入社当初は初めての経験ばかりで不安もありましたが、研修や同行等でしっかりと学ぶ時間もあり、現在は楽しくお仕事をさせてもらっています」と振り返っています(CILひかり公式サイト・スタッフ紹介ページより)。CILひかりでは約2週間の新人研修(座学+実技)と、先輩ヘルパーとの同行研修を経てから独り立ちする流れです。いきなりひとりで現場に出ることはありません。

長時間1対1だからこその難しさ

長い時間をおひとりと過ごすからこそ、相性や距離感に悩む場面もあります。そんなときに抱え込まないよう、コーディネーター(現場とスタッフをつなぐ調整役)に相談できる体制があります。1対1の現場でも、チームで支える構造です。

また、1対1だからこそ、自分の判断で動きたくなる場面もあります。ただ、CILひかりで大切にしているのは「勝手に判断せず、本人に確認する」こと。迷ったら聞く。それが失礼なのではなく、聞くことこそが利用者さんの意思を尊重する支援です。

それでも続けられる理由

研修、同行、相談体制。ひとつひとつは地味ですが、「不安なときに頼れる場所がある」ことが、未経験から始めたスタッフが続けられている理由です。最初から完璧にできる人はいません。わからなければ、一緒に確認する体制があります。

また、有給休暇の承認率は100%(2026年7月現在)で、「休みたいときに休めない」状態にならないよう、シフト調整にも取り組んでいます。長く続けるための土台は、日々の安心感の積み重ねだと考えています。


未経験からのスタートが多数派です

応募に必要なのは普通自動車免許のみ。介護の資格や経験がなくても始められます。

重度訪問介護で働くために必要な「重度訪問介護従業者養成研修」は、入職後に法人の負担で修了できます(研修中の給与も通常どおり支給されます/2026年7月現在)。くわしい要件は資格まとめの記事をご覧ください。

実際、CILひかりのスタッフには異業種からの転職者が多くいます。建築業界から転職した北田さんもそのひとりです。「未経験の自分に務まるのか」という不安のリアルと、それを乗り越えた過程は、インタビューで語られています。

接客や販売、飲食などで培った「相手に合わせて動く力」「気持ちよく過ごしてもらう工夫」は、この仕事で確実に活きます。介護技術は研修と現場で身につけられますが、人と向き合う姿勢は一朝一夕には育たないからです。

仕事内容の一覧は採用サイトの仕事内容ページでも紹介しています。この記事で「1日の流れ」がつかめたら、あわせてご覧ください。

「まずは話を聞いてみたい」「現場を見てみたい」という段階のご連絡も歓迎です。応募を決めてからでなくて構いません。


Q. 介護の経験も資格もありませんが、本当にできますか?

A. 応募時点で必要なのは普通自動車免許のみです。入職後に約2週間の新人研修と先輩との同行研修があり、重度訪問介護従業者養成研修も法人の負担で修了できます。CILひかりのスタッフの多くが未経験からのスタートです。

Q. 見守りの時間にも給料は出ますか?

A. はい。CILひかりでは見守り・待機の時間もすべて勤務時間に含まれ、給与の対象になります(2026年7月現在)。

Q. 体力に自信がなくても大丈夫ですか?

A. 重度訪問介護は施設介護に比べて時間に追われる場面が少ない働き方です。また、新人研修ではボディメカニクス(体に負担をかけない介助の方法)を学ぶ時間があり、腰痛などのリスクを減らす工夫をしています。

「仕事の1日」が見えたら、次は「働く人の声」へ

CILひかりでは、応募前のご質問やご相談も受け付けています。お電話(099-252-8441)またはエントリーフォームからお気軽にどうぞ。

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