重度訪問介護のパート・ダブルワークという働き方

本業があるけれど、もう少し収入を増やしたい。家庭の事情があって、決まった時間だけ働きたい。そういう条件で仕事を探すとき、介護は選択肢に入りにくい職種かもしれません。急な呼び出しやシフト変更が多そうだ、という印象があるからです。

重度訪問介護は、その印象とは少し違う働き方をしています。

この記事の要点

1日1名の担当制なので、入る時間が事前に決まります。急に別の家へ回されることがありません。

見守りの時間も勤務時間です。拘束された時間がそのまま給与の対象になります。

2026年10月から社会保険の加入要件が変わりました。扶養内で働きたい方は確認が必要です。

1. 介護のパートは「予定が読めない」というイメージ

訪問介護で予定が崩れやすいのは、1日に何軒も回る働き方が多いためです。構造が違えば、そこは変わります。

介護のパートに対して、こういう印象を持っている方は多いと思います。急な欠勤の穴埋めを頼まれる。1件のお宅で時間が押すと、その後の予定が全部ずれる。終わる時間が読めない。

この印象は、根拠のないものではありません。短い時間の訪問を1日に何軒も組み合わせる働き方では、どこか1軒が延びればあとが連鎖します。誰かが休めば、その分を他のスタッフで割ることにもなります。

ただ、これは訪問介護という仕事そのものの性質ではなく、1日に複数件を回すという組み方から来ています。


2. 重度訪問介護が、予定を立てやすい理由

1日に担当するのは1名です。入る時間と終わる時間が、あらかじめ決まっています。

CILひかりでは、1日に担当する利用者は1名です。複数の家を掛け持ちして回ることはありません。

これが予定の立てやすさに直結します。1軒しか入らないので、前の訪問が延びて次がずれる、という連鎖が起きません。朝に入る時間と、終わる時間が決まっていて、その通りに動きます。

出勤も直行直帰です。事業所を経由せず、担当する方の自宅へ直接向かい、勤務が終わればそのまま帰ります。事業所に寄るための移動時間が、前後に発生しません。

見守りの時間も勤務時間です

重度訪問介護には、常に手を動かしているわけではない時間があります。利用者が読書をしている、眠っている。その間、介助者は同じ空間にいて、必要になったときに動けるようにしています。

この時間も勤務時間として給与の対象です。実際に手を動かした分だけが給与になるのではなく、その場にいる時間が計算されます。

短時間勤務で収入の見通しを立てたい方にとって、この点は意味があります。拘束されている時間と、給与の対象になる時間が一致しているからです。

移動の時間が、収入を削りません

短時間勤務で働くとき、意外と効いてくるのが移動です。1日に3軒回る働き方では、家と家のあいだの移動が3回分発生します。その時間は、多くの場合そのまま収入になるわけではありません。

重度訪問介護では、向かう先が1か所だけです。自宅から利用者宅へ行き、終われば自宅へ帰る。拘束される時間に対して、給与の対象になる時間の割合が高くなります。

時給の額面だけでなく、1日を通して何時間拘束されて、そのうち何時間が給与になるのか。短時間で働く方ほど、この見方をしておく価値があります。

短時間勤務でも、担当は固定されます

パート・非常勤であっても、1日1名担当であることは変わりません。毎回ちがう利用者のところへ行くのではなく、同じ方を担当します。

週に1〜2回の勤務でも、その方の生活の流れが分かってきます。限られた時間しか働けなくても、浅い関わりにしかならない、ということにはなりません。

ただし、予定が絶対に動かないわけではありません

利用者の体調や予定の変更で、勤務が変わることはあります。急な欠員が出たときに相談が来ることもあります。

「絶対に動かない」と書くつもりはありません。構造として崩れにくい、という程度に受け取っていただくのが正確です。


3. ダブルワークとして考えるとき

本業がある方にとっては、入る曜日と時間帯を固定できるかどうかが決め手になります。

本業を持ちながら働く場合、確認したいのは次の4点です。

① 曜日と時間帯を固定できるか

本業のシフトが動かせないなら、こちらは固定するしかありません。重度訪問介護は利用者ごとに必要な時間帯が決まっているため、その枠に入れるかどうかが条件になります。土日や夜間の枠がある場合もありますが、時期によって状況が変わります。応募時にご相談ください。

② 本業の就業規則で副業が認められているか

これはご自身で確認が必要な部分です。副業を禁止している会社、届出が要る会社、特に定めのない会社があります。後から問題になると困るのは働く方なので、先に確認されることをおすすめします。

③ 社会保険の手続きが必要になることがあります

本業と副業の両方で社会保険の加入要件を満たす場合、複数の事業所で勤務していることを届け出る手続きが必要になります。保険料は、それぞれの報酬を合算したうえで按分して計算されます。

どちらか一方だけが要件を満たす場合は、この手続きは発生しません。ご自身がどちらに当たるかは、勤務時間が確定してから年金事務所でご確認いただくのが確実です。

④ 働きすぎにならないか

本業と合わせた労働時間が長くなると、体に無理が出ます。介護は人の体にふれる仕事なので、疲労が蓄積した状態で入るのは、ご自身にとっても利用者にとっても良い状態ではありません。

入れる日数を欲張らないことも、長く続けるための条件になります。


4. 扶養の範囲で働きたい方へ|2026年10月の制度変更

2026年10月1日から、社会保険の加入要件から賃金の条件が撤廃されました。年収で判断していた方は、考え方を変える必要があります。

扶養の範囲で働きたい方にとって、2026年10月は区切りの時期になりました。制度が変わっています。

これまでの「106万円の壁」がなくなりました

これまで、パートの方が社会保険(厚生年金・健康保険)に加入する条件は4つありました。週の所定労働時間が20時間以上、所定内賃金が月額8.8万円以上、従業員51人以上の企業に勤めていること、学生でないこと、の4つです。

このうち賃金の条件(月額8.8万円以上)が、2026年10月1日に撤廃されました。

出典:日本年金機構「2026(令和8)年10月に社会保険の短時間労働者に係る賃金要件が撤廃されました」

つまり、これからは収入の額ではなく、週の労働時間が20時間以上かどうかで判断されることになります。年収を8.8万円×12か月の範囲に抑えていた方は、その調整では意味が変わってきます。

130万円の扶養認定は、別の話です

ここで混同しやすいのが、健康保険の被扶養者認定です。配偶者などの扶養に入るかどうかの基準は、社会保険の加入要件とは別に決められています。

そして税金については、また別の制度です。所得税や住民税の計算は社会保険とは独立していて、近年の改正で控除の仕組みも変わっています。

3つの制度が別々に動いているため、ご自身がどこに当てはまるかは、個別の状況によって変わります。正確なところは、お住まいの市区町村の窓口、年金事務所、あるいは扶養に入っている方の勤務先の担当部署にご確認ください。この記事で断定できる内容ではありません。

鹿児島県の最低賃金も上がりました

もうひとつ、時給に関わる変更があります。鹿児島県の最低賃金は、2026年10月25日発効で時間額1,090円に改定されました。改定前は1,026円でした。

出典:鹿児島労働局(鹿児島県最低賃金の改正)

時給が上がるということは、同じ時間だけ働いても収入が増えるということです。収入を一定の範囲に収めたい方は、時間数の見直しが必要になる場合があります。


5. 応募前に確かめておきたいこと

パート・非常勤の条件は事業所ごとに違います。求人票だけでは分からない部分を挙げます。

最低何日から入れるか——週1日から相談できるのか、最低日数の決まりがあるのか

入れる時間帯——早朝・日中・夜間・土日のうち、どの枠に空きがあるか

研修期間中の扱い——研修をどう受けるか、その間の給与はどうなるか

交通費と移動の扱い——直行直帰の場合の交通費がどう支給されるか

CILひかりのパート・非常勤の具体的な条件は、パート・アルバイトの募集要項および面接時にご確認ください。ご自身の生活時間に合うかどうかは、条件を突き合わせないと判断できない部分です。

※本記事は社会保険・税務に関する個別の助言を行うものではありません。制度に関する記述は2026年10月時点で公表されている情報にもとづいています。ご自身の適用関係は、年金事務所・市区町村の窓口等でご確認ください。


Q. 週1日からでも働けますか

A. 入れる日数や時間帯は、そのときの利用者の状況によって変わります。ご希望の条件をお伝えいただければ、合う枠があるかをご相談できます。

Q. 未経験でもパートから始められますか

A. 応募に必要なのは普通自動車免許のみです。重度訪問介護従業者養成研修は法人が費用を負担する形で修了できます。パート勤務の場合の研修の受け方については、面接時にご確認ください。

Q. 扶養の範囲に収まるかどうか、相談できますか

A. 勤務時間や収入の見込みについてはご相談いただけます。ただし扶養の判定そのものは、ご家族の加入している健康保険や税務の制度によって決まりますので、年金事務所や市区町村の窓口でもご確認ください。

働ける時間が限られていても、まずはご相談を

働ける曜日や時間帯が限られていても、まずはご相談ください。お電話(099-252-8441)またはWebのエントリーフォームからお気軽にどうぞ。

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